トラの死

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tora.jpg我が家には家猫と外猫がいた。過去形で書いているのでもうお分かりでしょう。
外猫の名はトラ。12歳。この子は12年前に我が家の庭に親猫が置いていった。親猫は4匹出産したようで、良く4匹を引き連れて我が家に餌と水をもらいに来ていた。
乳離れがすると4匹の中でも一番大食いの子どもを置いていった。私はグレーの子猫を飼おうと決めていたが、いつの間にかトラを残して来なくなった。
野良猫の親は大した物で、一匹ずつ飼ってくれそうな家に子猫を置いて去っていったのだ。
この頃人間の親でも虐待のニュースが多いなか、猫の親は見上げた物だ。

置かれていった猫はトラ猫なので名前はトラ。家の中に入れて飼おうと思ったが、中には黒猫とチワワが居た。いったん入れてみたが、犬がビビッて仕方なく外に小屋を作り、庭で飼うことにした。勿論去勢もして。

大変大食いで一時は8キロもあってとても可愛かった。
今年の夏は大変暑くだんだん餌を食べなくなったので心配でならなかった。しかし医者に連れて行きたくてもなかな捕まらない。孫には抱っこされるので捕まえるが、途中で逃げてしまう。

そんなわけで餌にもあれこれ工夫したがやはり余り食べないと痩せて行く。
一時は良く鳥やねずみを取ってきて私を困らせた。
しかし弱ってくると少しの段差も上がれなくなったので、家に入れたが外に行きたくてドアをカリカリする。仕方なく外に又出してやった。

ある朝大分弱っているので頭をなでてやり煮干を取りに台所に行った。戻ってみるとどこにも居ない。あの体で遠くには歩けない。夫と「トラちゃーーーん・トラちゃーーーん」と探したが見つからない。

昔祖母から「動物は死ぬ姿を可愛がってくれた人には見せないで、死期が近づくと居なくなるのよ」と聞いたことを思い出した。そしてトラの死を悟らざるをえなかった。

あれから1ヶ月。今でも何処に行ったのかいつも心の中から消えない。
トラちゃん天国で皆と仲良く遊んでいるかなぁー

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